事務局から活動内容のご報告です。とある企業様から当協会のホームページを見てのご依頼でした。

詳細は守秘義務がございますので伏せますが、
数十年前に、およそ25,000平米の田んぼを複数の地主様から借り上げ、会社の広大な駐車場に造成し利用していましたが、このたび会社を清算することになり、地主様に返還したいとのことでした。

当協会内で複数の会員で専門チームを立ち上げ、返還までの実務全体をコンサルティングさせていただきました。

3ブロックほどに分かれた駐車場全体には、当時は狭かった町道も新しく広くなって整備されてます。十数名の地主様の土地からなっており、まずは全体を測量し、借りた当時の地積図を元に各土地の広さとポイントを確定していきました。
同時に地主様全員に集まっていただいて、返還に対するご要望をまとめることを致しました。

ほとんどの地主様が田んぼに戻して欲しいと希望しており、当協会のチームで地主様と企業様の間にはいり、その仕様をまとめさせていただきました。畦の幅、表土の厚さ、法面の仕様、水路、進入路など、地元の農林水産試験場のアドバイスも仰ぎ、チーム内の田んぼに詳しい専門家と企業様、地主様の記憶を頼りに原状回復のための仕様を半年掛けて作成していきました。
いわゆる田んぼの設計図です。何度も集まっていただいた地主の皆様、ありがとうございました。

また、現況をボーリング調査すると田んぼの表土だけでなく、基盤をかなり深く掘り起こして改良土を入れなおして地盤を作り直していることも分かりました。その原因は、駐車場上方にある”ため池”からの水が地下にまわって底からどんどん湧き出ていて、地盤全体がゆるいためだったのです。

地主の皆様の記憶からもその土地一体はよく水が湧き、水はけが悪く、手入れが大変だったようです。

原状回復だからといって、水はけの悪いまま返還するわけにもいきませんし、かと言って長年アスファルトを敷いていた改良土の上からそのまま田んぼを作るわけにもいきません。
アスファルトからの影響が無くなる安全値まで全ての改良土と基盤土を取り除き、基盤土を入れ替えることにしました。必ず水が湧いてきますので性能の高い透水管を張り巡らし、できる限り地主様の要望に沿い、かつ企業様にとっても納得できる計画とさせていただきました。

工事は地元の建設会社数社に見積もりを依頼し、内容を精査させていただき、企業様と相談しながらきちんと工事をしていただけそうな建設会社に決定していただきました。

復元工事の途中、地主様や企業様との立会いを数回行い、ようやく田んぼに回復。試しに水をはって水中均平を行い、不具合がないかを監理させていただきました。幾度かの修正や仕様変更もございましたが、ご依頼から約一年半の期間をかけて、無事地主様へ返還させていただきました。

文章ではさらっと書いておりますが、理事会でもご報告させていただいてる通り、途中、各地主様とのやり取りの中でいろんなことがありましたが、最終的に各地主様全員から土地新貸借契約の合意解除証書に印鑑を頂いた時、原状回復なのに、みんなで何かすごい物を作り上げた気持ちになりました。

当協会にとって一大プロジェクトでしたが、チームに入って活動していただいた会員の皆様、また、報告の際にアドバイスを頂いた理事の皆様、どうもありがとうございました。本当にお疲れ様でした。また機会がありましたら宜しくお願いいたします。